STRTOL(3) | Linux Programmer's Manual | STRTOL(3) |
strtol, strtoll, strtoq - 文字列を long int に変換する
#include <stdlib.h> long int strtol(const char *nptr, char **endptr, int base); long long int strtoll(const char *nptr, char **endptr, int base);
glibc
向けの機能検査マクロの要件
(feature_test_macros(7) 参照):
strtoll():
strtol() 関数は、 nptr の文字列の最初の部分を、 base を基数として long int に変換する。 この base は 2 から 36 までの値 あるいは特別な意味を持つ値 0 でなければならない。
文字列の先頭には、任意の数の空白があってもよく (空白は isspace(3) で判定される)、また数字の直前には '+' か '-' の 符号があってもよい。 base が 0 または 16 の場合には、文字列の先頭に "0x" を置くことが でき、その場合には文字列は 16進数として扱われる。 これ以外の文字列で base が 0 の場合は、 文字列が '0' で始まるときは 8進数として、 それ以外のときは 10進数として扱われる。
数字を表す文字列は long int に変換されるが、基数に対して 有効でない数字が現れた時点で変換は終了する。(11進数以上では 'A' は 大文字・小文字に関わらず 10 を表し、 'B' は 11 を表現し、 以下同様に、 'Z' は 35 を表す。)
endptr がヌル値 (NULL) でない場合は、最初に現れた不正な文字が strtol() によって *endptr に保存されている。 文字列に有効な数字がひとつもなければ、 strtol() は nptr の元の値を *endptr に代入する (そして 0 を返す)。 特に、*nptr が '\0' 以外で、返された **endptr が '\0' ならば、文字列全体が有効だったことになる。
strtoll() 関数は strtol() と同様だが、long long int 型の値を返す。
アンダーフローもオーバーフローも起きなかった場合、 strtol() 関数は 変換された値を返す。オーバーフローした場合には LONG_MAX が返り、 アンダーフローした場合には LONG_MIN が返る。オーバーフロー、 アンダーフローのいずれの場合にも 大域変数 errno には ERANGE が設定される。 strtoll() も同様であるが、 LONG_MIN と LONG_MAX の代わりに LLONG_MIN と LLONG_MAX が返される。
実装によっては、変換が行われなかった場合 (数字がなく、0 を返した場合)、 errno に EINVAL が設定される場合がある。
関数 strtol(), strtoll(), strtoq() は、例外付きのスレッドセーフである。実行中に setlocale(3) を呼び出してロケールを変更しない限り、マルチスレッドアプリケーションで安全に使用することができる。
strtol() は SVr4, 4.3BSD, C89, C99 と POSIX.1-2001 に準拠している。 strtoll() は C99 と POSIX.1-2001 に準拠している。
strtol () からは成功、失敗どちらの場合でも 0, LONG_MAX, LONG_MIN (strtoll() では LLONG_MAX, LLONG_MIN) が返る可能性があるので、 プログラムは関数を呼び出す前に errno を 0 に設定し、呼び出し後に errno が 0 以外の値かどうかを確認しエラーが発生したかどうかを判断する 必要がある。
POSIX.1-2001 では、 "C" と "POSIX" 以外のロケールでは、これらの関数は、他の実装時に定義される数字を示す文字列を受け付けるとされている。
BSD には、
quad_t strtoq(const char *nptr, char **endptr, int base);という完全に同様の定義を持つ関数がある。 使用中のアーキテクチャーのワード長次第であるが、この関数は strtoll() か strtol() と等価となることもある。
以下のプログラムは
strtol()
の使用例である。
最初のコマンドライン引き数には
strtol()
が数字として解釈する文字列を指定する。
(省略可能な)
二番目の引き数には
変換に使用される基数を指定する
(この引き数は atoi(3)
を使って数値に変換される。
atoi(3) は strtol()
よりも簡単なインターフェースを持つ関数で、
その中ではエラーチェックは行われない)。
このプログラムの実行例をいくつか以下に示す:
$ ./a.out 123 strtol() returned 123 $ ./a.out ' 123' strtol() returned 123 $ ./a.out 123abc strtol() returned 123 Further characters after number: abc $ ./a.out 123abc 55 strtol: Invalid argument $ ./a.out '' No digits were found $ ./a.out 4000000000 strtol: Numerical result out of range
#include <stdlib.h> #include <limits.h> #include <stdio.h> #include <errno.h> int main(int argc, char *argv[]) {
int base;
char *endptr, *str;
long val;
if (argc < 2) {
fprintf(stderr, "Usage: %s str [base]\n", argv[0]);
exit(EXIT_FAILURE);
}
str = argv[1];
base = (argc > 2) ? atoi(argv[2]) : 10;
errno = 0; /* To distinguish success/failure after call */
val = strtol(str, &endptr, base);
/* Check for various possible errors */
if ((errno == ERANGE && (val == LONG_MAX || val == LONG_MIN))
|| (errno != 0 && val == 0)) {
perror("strtol");
exit(EXIT_FAILURE);
}
if (endptr == str) {
fprintf(stderr, "No digits were found\n");
exit(EXIT_FAILURE);
}
/* If we got here, strtol() successfully parsed a number */
printf("strtol() returned %ld\n", val);
if (*endptr != '\0') /* Not necessarily an error... */
printf("Further characters after number: %s\n", endptr);
exit(EXIT_SUCCESS); }
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2014-03-18 | GNU |