名前
apropos -
マニュアルページの名前と要約文を検索する
書式
apropos [-dalv?V] [-e|-w|-r]
[-s list] [-m system[,...]] [-M
path] [-L locale] [-C file]
keyword ...
説明
各マニュアルページには短い要約文が含まれています。
apropos
はそのマニュアルページの要約内にある
keyword を検索します。
keyword は通常は (-r
を指定した時のように)
正規表現として扱われますが、
-w
を指定してワイルドカードを含めたり、
-e を指定して厳密に
keyword
に一致させたりすることもできます。これらのオプションを使用する場合には、シェルの解釈を抑止するために
keyword
を引用符で囲むか、特殊文字をエスケープ
(\)
する必要があります。
標準の一致処理ルールではページ名や要約文内の単語境界にも一致させることができます。
apropos
によって検索されるデータベースは
mandb
プログラムによって更新されます。インストール方法によりますが、cron
ジョブとして mandb
が定期的に実行されているかもしれませんし、マニュアルページをインストール時に
mandb
を手動で実行する必要があるかもしれません。
オプション
- -d, --debug
- デバッグ情報を表示します。
- -v, --verbose
- 冗長な警告メッセージを表示します。
- -r, --regex
- 各 keyword
を正規表現として解釈します。これはデフォルトの動作です。ページ名と要約文に対してそれぞれ独立して
keyword
の一致処理が行われます。一致処理は両者のどの部分も対象になります。一致処理は単語境界に限定されません。
- -w,
--wildcard
- 各 keyword
をシェル形式のワイルドカードを含むパターンとして解釈します。ページ名と要約文に対してそれぞれ独立して一致処理が行われます。
--exact
も併せて指定した場合、展開された
keyword
が要約文またはページ名全体に一致した場合のみ一致したと判定されます。指定しない場合、
keyword
は要約文内の単語境界に対しても一致処理が行われます。
- -e, --exact
- 各 keyword
はページ名と要約文に対して厳密に一致処理が行われます。
- -a, --and
- 与えた keyword
全てに一致したページのみ表示します。デフォルトはいずれかに一致するページを表示します。
- -l, --long
- 出力を端末幅で切り詰めません。通常は、適切に書かれていない
名前 (NAME)
節による見にくさを避けるために出力が端末の幅に切り詰められます。
- -s list,
--sections=list, --section=list
- 指定したマニュアルセクションのみ検索します。
list
はコロンまたはコンマで区切られたセクションのリストです。もし、
list
の項目が単純なセクション、例えば
"3"
ならば、表示される説明のリストには
"3"、 "3perl"、 "3x"
等のセクションのページが含まれます。一方
list
に拡張部分も含める、例えば
"3perl"
ならば、表示される説明のリストはマニュアルセクションに厳密に一致したページのみ含まれるようになります。
- -m system[,...],
--systems=system[,...]
- If this system has access to other operating systems' manual page
descriptions, they can be searched using this option. To search NewOS's
manual page descriptions, use the option -m NewOS.
system
にはコンマで区切ったオペレーティングシステム名の組み合わせを指定できます。現在のオペレーティングシステムの
whatis
を検索に含めるためにはシステム名として
man
を引数に含めます。このオプションは
$SYSTEM
環境変数を上書きします。
- -M path, --manpath=path
- 検索するマニュアルページ階層を変更する場合、その集合をコロンで区切って指定します。デフォルトでは、apropos
は $MANPATH
環境変数を使用します。
$MANPATH
環境変数が空であるか、設定されていない場合、$PATH
環境変数に応じて適切なマニュアルページのパスが決定されます。このオプションは
$MANPATH
の内容を上書きします。
- -L locale, --locale=locale
- apropos
は通常、現在のロケールを
C の関数 setlocale(3)
を呼び出すことによって決定します。これはおそらく
$LC_MESSAGES や $LANG
などを含むさまざまな環境変数を使用します。一時的にこの値を上書きしたい場合には、このオプションを使用して
apropos に直接 locale
文字列を渡します。これはページの検索が実際に開始されるまでは効果が無いことに注意してください。ヘルプメッセージなどは常に初期に決定されたロケールによって表示されます。
- -C file, --config-file=file
- デフォルトの ~/.manpath
ではなく指定したユーザ設定ファイルを使用します。
- -?, --help
- ヘルプメッセージを表示して終了します。
- --usage
- Print a short usage message and exit.
- -V, --version
- バージョン情報を表示します。
終了ステータス
- 0
- プログラムが正常に実行されました。
- 1
- 使用法、構文または設定ファイルのエラーです。
- 2
- 操作のエラーです。
- 16
- 指定したキーワードにマッチしたページが見つかりませんでした。
環境変数
- SYSTEM
- $SYSTEM
が設定されている場合、
-m
オプションで指定した引数と同様の効果があります。
- MANPATH
- $MANPATH
が設定されている場合、その値はコロン区切りのマニュアルページ階層の検索パスとして使用されます。
See the SEARCH PATH section of manpath(5) for
the default behaviour and details of how this environment variable is
handled.
- MANWIDTH
- If $MANWIDTH is set, its value is used as the terminal width (see
the --long option). If it is not set, the terminal width will be
calculated using the value of $COLUMNS, and ioctl(2) if
available, or falling back to 80 characters if all else fails.
- POSIXLY_CORRECT
- $POSIXLY_CORRECT
が設定されている場合、値が空であったとしても、
apropos
はデフォルトで拡張正規表現
(-r)
を使用して検索します。今日ではこの動作が常にデフォルトです。
ファイル
- /usr/share/man/index.(bt|db|dir|pag)
- 伝統的な大域インデックス型データベースキャッシュです。
- /var/cache/man/index.(bt|db|dir|pag)
- FHS
準拠の大域インデックス型データベースキャッシュです。
- /usr/share/man/.../whatis
- 伝統的な whatis
テキスト型データベースです。
著者
Wilf. (G.Wilford@ee.surrey.ac.uk).
Fabrizio Polacco (fpolacco@debian.org).
Colin Watson (cjwatson@debian.org).
バグ
https://gitlab.com/man-db/man-db/-/issues
https://savannah.nongnu.org/bugs/?group=man-db