名前
rpc.mountd - NFS
マウントデーモン
書式
/usr/sbin/rpc.mountd [options]
説明
rpc.mountd プログラムは
NFS
のマウントプロトコルを実装している。
rpc.mountd は NFS
クライアントから MOUNT
リクエストを受け取ると、
現在エクスポートされているファイルシステムのリストを参照し、
そのリクエストが正当なものかどうかをチェックする。
クライアントがそのファイルシステムのマウントを許可されている場合には、
rpc.mountd
は要求されたディレクトリのファイルハンドルを取得し、
それをクライアントに返す。
ファイルシステムを
NFS
クライアントが使用できるようにすることを、
エクスポートという。
通常 NFS
の使用を許可するファイルシステムとホストは
/etc/exports
ファイルにリストされ、システムのブート時に
exportfs -a
で有効にされる。
exportfs(8)
コマンドは、カーネル
NFS
サーバーモジュールと
rpc.mountd
デーモンとの両方に対して、エクスポート情報を利用可能にする。
もしくは、 exportfs の
host:/directory
という書式を使って、個別のディレクトリを一時的にエクスポートすることもできる。
NFS
クライアントからマウント・リクエストを受けとるごとに、
rpc.mountd は /var/lib/nfs/rmtab
ファイルにエントリを追加する。
アンマウント・リクエストを受け取ると、そのエントリは削除される。
ただし、このファイルはほとんど飾りのようなものである。
ひとつには、 rpc.mountd の
UMOUNT
プロシージャが呼ばれた後でも
クライアントはファイルハンドルを使い続けることができてしまうし、
またもうひとつには、
mountd
に知らせずにリブートすると、
rmtab
に古いエントリが残ってしまう。
オプション
- -d kind または
--debug kind
- デバッグを有効にする。
kind
として指定可能な値は以下の通り:
all, auth, call, parse.
- -F または
--foreground
- フォアグラウンドで実行する
(デーモン化しない)。
- -f または
--exports-file
- このオプションはエクスポートファイルを指定する。
エクスポートファイルには、このサーバーがサービスを提供するクライアントと、
それぞれのマウントに対して適用されるパラメータがリストされている
(exports(5)
を見よ)。デフォルトのエクスポートファイルは
/etc/exports である。
- -h または
--help
- 使用法のメッセージを表示する。
- -o num または
--descriptors num
- オープンするファイルディスクリプタの上限を
num にする。
デフォルトでは上限を変更しない。
- -N または
--no-nfs-version
- このオプションを使うと、
rpc.mountd
に特定のバージョンの
NFS
を提供させないようにできる。
rpc.mountd
の現在のバージョンでは、NFS
バージョン 2 と
より新しいバージョン
3
の両方をサポートしている。
NFS
カーネルモジュールが
NFSv3
に対応するようにコンパイルされていない場合、
rpc.mountd をオプション
--no-nfs-version 3
で起動しなければならない。
- -n または
--no-tcp
- mount の際に TCP
に広報しない。
- -P
- 無視される (unfsd
との互換性のためにある)。
- -p または
--port num
- rpc.mountd を特定のポート
num
にバインドさせる。
portmapper
によって割り当てられるランダムなポートを使わない。
- -H または
--ha-callout prog
- 高可用性コールアウトプログラムを指定する。
このプログラムは全てのクライアントのマウント要求とアンマウント要求の
コールアウトを受け付ける。
これにより、高可用性
NFS (High Availability NFS, HA-NFS) 環境で
rpc.mountd
を使用することができる。
このコールアウトは
2.6
以降のカーネルでは必要ない
(使用すべきではない)。
(代わりに、nfsd
ファイルシステムを
/proc/fs/nfsd
にマウントすること)。
このプログラムは 4
つの引き数を付けて呼ばれる。
1 番目の引き数は mount
または unmount
である。これはコールアウトの理由に依存する。
2
番目の引き数はマウントを実行しているクライアントの名前である。
3
番目の引き数はクライアントがマウントしているパスである。
最後の引き数は同時マウント数である。
これは mountd
が把握している、
そのパスをマウントしているクライアントの数である。
- -V または
--nfs-version
- このオプションを使うと、
rpc.mountd
に特定のバージョンの
NFS
を提供させることができる。
rpc.mountd
の現在のバージョンでは、NFS
バージョン 2 と
より新しいバージョン
3
の両方に対応することができる。
- -v または
--version
- rpc.mountd
のバージョンを表示して終了する。
このバージョンの
rpc.mountd は tcp_wrapper
ライブラリによって保護することができる。
クライアントに rpc.mountd
の使用を許可するためには、アクセス権を与えなければならない。
.bar.com
ドメインのクライアントからの接続を許可するためには、
以下の行を /etc/hosts.allow
に記述する。
mountd: .bar.com
デーモン名としては
(バイナリの名前がこれとは違っても)
mountd
を使わなければならない。
より詳しい情報については、
tcpd(8), hosts_access(5) の man
ページを参照してほしい。
ファイル
/etc/exports, /var/lib/nfs/xtab.
著者
Olaf Kirch, H. J. Lu, G. Allan Morris III,
その他の多くの人々。