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shm_overview - POSIX 共有メモリーの概要
POSIX 共有メモリー API を使用すると、メモリーのある領域を共有して、 プロセス間で情報をやり取りすることができる。
この API では以下のインターフェースが採用されている。
POSIX 共有メモリーは Linux 2.4 と glibc 2.2 以降でサポートされている。
POSIX 共有メモリーオブジェクトはカーネル内で保持される。 共有メモリーオブジェクトは、システムがシャットダウンされるか、 全てのプロセスがそのオブジェクトをアンマップし、 shm_unlink(3) で削除されるまで、存在し続ける。
POSIX 共有メモリー API を使用したプログラムは cc -lrt でコンパイルし、リアルタイムライブラリ librt とリンクしなければならない。
Linux では、共有メモリーオブジェクトは通常 /dev/shm 以下にマウントされる仮想ファイルシステム (tmpfs(5)) 内に作成される。 カーネル 2.6.19 以降の Linux では、 仮想ファイルシステム内のオブジェクトの許可属性の制御に、 アクセス制御リスト (ACL; access control lists) を使うことができる。
通常は、共有メモリーオブジェクトにアクセスするプロセスは、 POSIX セマフォなどを使ってプロセス間で同期をとらなければならない。
System V 共有メモリー (shmget(2), shmop(2) など) は古い共有メモリー API である。 POSIX 共有メモリーは、より簡単で、うまく設計されたインターフェースを提供している。 一方で、POSIX 共有メモリーは System V 共有メモリーと比べると 利用できるシステムが少ない (特に、古いシステムでは少ない)。
fchmod(2), fchown(2), fstat(2), ftruncate(2), mmap(2), mprotect(2), munmap(2), shmget(2), shmop(2), shm_open(3), shm_unlink(3), sem_overview(7)
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
2020-08-13 | Linux |