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PTHREAD_KILL(3) Linux Programmer's Manual PTHREAD_KILL(3)

名前

pthread_kill - スレッドにシグナルを送信する

書式

#include <signal.h>
int pthread_kill(pthread_t thread, int sig);

-pthread を付けてコンパイルとリンクを行う。


glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照):

pthread_kill():

_POSIX_C_SOURCE >= 199506L || _XOPEN_SOURCE >= 500

説明

pthread_kill() 関数は、呼び出したスレッドと同じプロセスの スレッド thread にシグナル sig を送信する。 シグナルは非同期に thread へ直接送られる。

sig が 0 の場合、シグナルは送信されないが、エラーチェックだけは実行される。

返り値

成功すると、 pthread_kill() は 0 を返す。 エラーの場合、エラー番号を返し、シグナルの送信は行わない。

エラー

無効なシグナルが指定された。

属性

マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)

pthread_kill() 関数はスレッドセーフである。

準拠

POSIX.1-2008.

注意

シグナルの配送はプロセス全体で行われる。 シグナルハンドラーが設定されている場合、 そのハンドラーがスレッド thread で起動されるが、 シグナルの配送が "stop", "continue", "terminate" のいずれかの場合、 シグナルに対するアクションはプロセス全体に影響がある。

POSIX.1-2008 では、 スレッドが終了した後にそのスレッド ID が使用されたことを検出した場合に、 pthread_kill() はエラー ESRCH を返すことを推奨されている。 glibc の実装では、無効なスレッド ID を検出できる場合にはこのエラーを返す。 しかし、 POSIX では、 終了したスレッド ID を使おうとした場合の動作は不定であり、 pthread_kill() で無効なスレッド ID を使おうとした場合には、 例えば、 セグメンテーションフォールトになる可能性もある点に注意すること。

関連項目

kill(2), sigaction(2), sigpending(2), pthread_self(3), pthread_sigmask(3), raise(3), pthreads(7), signal(7)

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

2014-05-13 Linux